アルダ・チャンドラ・アーサナにおける機能解剖学的解説

ヨーガのアーサナでは、全身の筋肉(関節)の柔軟性が必要なものが多く、その中でも特に『 股関節 』の柔軟性が求められるものが多くあります。

「 もっと柔らかく柔軟性のあるアーサナを実践したい! 」
という思いで練習をたくさんすることで、膝の内側あたりを傷めてしまう方が中にはいらっしゃいます。

その多くは膝の少し下にある『 鵞足(がそく)』と呼ばれる場所につく筋肉のオーバーストレッチによるものが多いです。

【 アルダ・チャンドラ・アーサナ 】では、その途中に【 トゥリコーナ・アーサナ 】のような動きがありますので、そこに注目してみます。


この動きの、膝に関係する『 鵞足 』と『 鵞足に付着する筋肉 』について紹介していきます。

『鵞足』は、膝関節の内側にありますが、実際には膝関節よりは少し下に位置します。

  • ・膝関節の位置

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  • ・鵞足の位置

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この違いをみるだけで、万が一傷めたときでも自分が『 関節 』を傷めてしまったのか、『 筋肉 』を傷めてしまったのか推測をつけることができます。

位置が確認できましたら、そこについている筋肉を確認しましょう。

≪ 縫工筋(ほうこうきん)≫

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  • ・起始:上前腸骨棘
  • ・停止:脛骨粗面の内側(鵞足)

≪ 薄筋(はっきん)≫

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  • ・起始:恥骨結合の外側縁
  • ・停止:脛骨の上縁(縫工筋の付着部の後方)

≪ 半腱・半膜様筋(はんけん・はんまくようきん)≫

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  • < 半腱様筋 >
  • ・起始:坐骨結節の内側面
  • ・停止:脛骨粗面の内側顆(鵞足)
  • < 半膜様筋 >
  • ・起始:坐骨結節
  • ・停止:脛骨の内側顆、大腿骨の外側顆

の3本の筋肉がこの1ヵ所に集まります。

その集まった形が、ガチョウの足に似ていることから『 鵞足 』と名付けられています。

これらの筋肉の反対側は場所は違っても『 骨盤 』のそれぞれの場所につく筋肉で、

  • ・股関節
  • ・膝関節


の2つの関節をまたぐ『 二関節筋 』という長さの長い筋肉になります。

このような長さの長い筋肉は関節の可動域を広くとるときの制限をしやすい筋肉になっています。

例えば、開脚をしたときや前屈をしたときになぜか膝が曲がってしまいますね?

あれは、これら『 二関節筋 』の働きで、限界まで伸びてくるときに少しでも緩めるためにこんな動きをしてしまうのです。

それをアーサナでは半ば強制的に膝を伸ばしていきますので、これら『 二関節筋 』が強く伸長されていきます。

もともと、長さがあって比較的その筋肉がついている場所が弱い筋肉なので強くし過ぎると、
『 付着部炎 』
という炎症を起こしてしまいます。

その付着部炎の代表的なものが『 鵞足 』におこる
『 鵞足炎 』
です。

これらはスポーツをする人に起こりますが、高齢者の変形性膝関節症でも同時に起こってしまうこともしばしばです。

もちろん、アーサナで無理をする方には起こりがちな疾患なので要注意です。

そこで、『二関節筋』をなるべく負担をかけずに柔軟性を向上させるための準備運動などをしておくことをおすすめします。

その方法は、
『 まず骨盤に近い側の筋肉をしっかりゆるめておくこと 』
が肝心です。

例えば、いきなり開脚するのではなくて、

  • ・四股を踏んだり、

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  • ・合蹠前屈のストレッチなどをしておく

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  • ・開脚でも最初は膝をわざと少し曲げた状態で練習する

などから始めることです。

これらで少しでも筋肉の付き目以外のところをあらかじめゆるめておくことで、負担を減らすことができます。

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