ヴィパリータ・カラーニにおける機能解剖学的解説

【 ヴィパリータ・カラーニ 】は、ヨーガにおける初期の古典から紹介されていた歴史あるアーサナのひとつです。

アーサナとしては、比較的身体の筋力や筋肉の柔軟性などを強く発揮していくものという形ではなく【 シャヴァ・アーサナ 】のようなアーサナの形が比較的とりやすく、より全身の筋肉の過剰な緊張を弛緩させていくことを目的にしたものであると考えられます。

【 ヴィパリータ・カラーニ 】特有の作用として主に

  • ・下半身に溜まりがちな血液の環流を助ける
  • ・適切な骨盤傾斜・脊柱のカーブ(彎曲)をゆるやかに作る

ことが挙げられます。

順番にこの2つの作用についてみていきましょう!

 

1.下半身に溜まりがちな血液の環流を助ける

血流が下半身にたまりがちになることで
『下半身の重だるさ、むくみ』
などの問題に悩まされることが考えられます。

その血流について簡単にご紹介しておきますと心臓からの血液は、

  • ・送り出す時
    心臓からのポンプ作用で押し出される勢いと重力で足に向かって上から下にと下がっていくのでかなり楽に血液を運ぶことができます
  • ・戻す時
    筋肉の動きが牛の乳しぼりのように少しずつ搾り上げていくことで上へ上へと運んでいく(ミルキング・アクション)と、重力の作用で逆流して下に下がってしまうことがないように弁がついている(静脈弁)などによって、血液を心臓まで押し上げていきます

ようにして流れております。

これは、エスカレーターや階段をイメージしていただくと

  • ・送り出す時=下りエスカレーター
    重力・心臓の拍出ともに自然に送り出されていきますのでスムースに運ばれていきます。
  • ・戻す時=上り階段
    後ろからサポートしてくれる要素はなく、ひたすら自分の力で重力に逆らって進まなければいけません

このくらい、送り出しと戻す時で差があるわけです。

その下半身からうまく戻しきれない血液を、足を一定時間上に挙げるうまく重力を味方につけて還りを良くすることで、

  • ・下半身(脚)の疲れをとり
  • ・だるさやむくみの改善

が期待できます。

 

2.適切な骨盤傾斜・脊柱のカーブ(彎曲)を作る

現代人の日常生活を考えてみますと、

  • ・仕事でデスクワーク
  • ・学生が勉強やレポートをする

などで椅子に座ることが多くなっています。

この椅子に座るとき、骨盤を立ててきっちり座っていられる方は少なく、どうしても

  • ・背もたれにもたれかかって
  • ・骨盤が丸く(後傾)なりがちで
  • ・腰から背中も全体的に丸くなりがち
  • ・太ももの裏の筋肉(ハムストリング)が縮みっぱなし

な姿勢で過ごしてしまいます。

そのようなことが習慣になってしまうことで、腰に負担がかかってしまい腰痛の原因になってしまうこともあります。

それを少しでも心地よく解消するのに、
【 ヴィパリータ・カラーニ 】
は有効なアーサナと考えます。

【 ヴィパリータ・カラーニ 】では、

  • ・太ももの裏の筋肉(ハムストリング)が心地よく伸ばされ
  • ・骨盤はニュートラルかやや前傾側に誘導され
  • ・背筋はまっすぐからやや適度なカーブを取り戻す

ようなかたちになれます。

そのため、うまく取り入れることで

  • ・下半身のむくみやだるさ
  • ・腰痛や腰まわりのだるさ・硬さ
  • ・猫背などの不良姿勢

などの改善に対してやさしくアプローチする効果が期待できます。

【 シャヴァ・アーサナ】などでリラックスを作る場面に、たまに【 ヴィパリータ・カラーニ 】などを入れてみられるとまた違った状態に身体を緩めることにつなげられるのではないでしょうか。

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